起業してから、おカネまわりの手続きがとにかく多い。
法人口座。これ、個人の口座と違って「審査」がある。しかも対面じゃなくてWeb面談、というスタイルが最近は増えているらしい。
三井住友銀行からも「Web面談の日程を調整してください」と連絡が来ていて、今日がその当日だった。
14時30分。パソコンの前に座り、背筋を伸ばした。
「何を聞かれるんだろう」という不安を、Geminiにぶつけた
面談の数日前、正直ちょっと緊張していた。
「何か変なことを聞かれて、しどろもどろになったらどうしよう」という、あの感じ。就職面接以来ひさびさに味わう緊張感である。
そこで思い立った。Geminiに「銀行の法人口座開設のWeb面談で、どんなことを聞かれますか?」と相談してみよう、と。
返ってきた内容は、思いのほかガッツリしていた。
- 事業内容について(何をやっている会社か)
- 取引先(販売先・仕入先)について
- 設立の経緯・代表者の経歴について
- 資本金の出所と今後の収益見込み
- なぜ三井住友銀行を選んだのか
さらに「当日のチェックリスト」まで出してくれた。本人確認書類、履歴事項全部証明書、静かな環境……と。
これ、ほぼ面談対策の教科書じゃないか。
各質問に対する「回答のヒント」も一緒に作ってもらい、自分なりに肉付けして、頭に入れた。
面談本番、予習の成果は?
当日の担当者は、穏やかな印象の方だった。
「どのような事業をされていますか?」「主な取引先はどちらですか?」「なぜ法人化されたのですか?」——質問は、Geminiが想定してくれた項目とほぼ一致していた。
8割以上は予習どおり。事前に言葉を用意していたので、落ち着いて答えられた。
アーキテクトとして30年近くIT業界で働いてきたこと、その経験を活かして生成AIを組み合わせた開発支援をしていること、すでに具体的な受託案件が動いていること——そういうことを、淡々と、でも自信を持って伝えた。
面談は20分ほどで終了。「審査の結果は後日お知らせします」という言葉で締めくくられた。
唯一、想定外だった質問
ほぼパーフェクトな予習だったのだが、一問だけ、Geminiが用意してくれなかった質問があった。
「会社名の由来を教えていただけますか?」
……ああ、そこを聞いてくるか。
「なかま合同会社」という名前には、実は表向きの理由とは別に、もうひとつの意味がある。
表向きは「仲間とともに仕事をする会社でありたい」という意味。クライアントも、AIも、関わってくれる人みんなが「仲間」だという思いを込めた。
もう一つの意味である、いちばん身近な「なかま」については、自分だけの秘密だ。
審査結果待ち、という名の「何もできない時間」
面談が終わると、あとはもう待つしかない。
この「結果待ち」の時間、起業してからけっこう多い気がする。法務局、住信SBI、そして今回の三井住友銀行。いろんな「待ち」が積み重なっている。
その間も仕事は進めるのだが、どこかそわそわする。
ただ今日の面談に関しては、やれることはやった、という手応えがある。Geminiのおかげで準備万端だったし、自分の経歴と事業への想いも、ちゃんと言葉にできた。
あとは銀行さんの判断を待つだけ。
……たぶん大丈夫、だと思いたい。
今日のおまけ:年金事務所の書類もできた
面談が終わった勢いで、ずっと後回しにしていた年金事務所への提出書類(新規適用届など)も一気に仕上げた。
起業すると、こういう「地味だけど重要な書類仕事」が山積みになる。
一人でやっているので、誰かに頼む、という選択肢がない。自分でやるしかない。でもまあ、それはそれで、達成感があるのだ。
今日もちゃんと、会社を動かした。
後日談:わかる人には、わかるらしい
この「会社名のもう一つの意味」、面談ではもちろん話さなかった。
ところが後日、仲のいいバイク屋の店主に会ったとき、なんとなく話題になって——「ひょっとして、そういう意味じゃないですか」と、あっさり言い当てられてしまった。
さすがである。長い付き合いだけある。
わかる人にはわかる。それがわかって、なんだかうれしかった。


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