「電子署名、やろう」と決めてから、まさかこんなに手間がかかるとは思っていなかった。
🔏 なぜマイナンバーカードで署名するのか
電子署名の方法はいくつかある。AcrobatのSign機能を使う方法、オンラインサービスを使う方法……どれもだいたい有料だ。署名用の証明書データを発行するのにも費用がかかる。
そこで選んだのがマイナンバーカードを使う方法。公的機関が発行した証明書が最初からカードの中に入っているため、追加費用がかからない。本人確認の正当性もお墨付きだ。コストと信頼性の両立という意味で、ひとり法人にはちょうどいい選択だった。
🛠️ 準備がとにかく多い
ただし、使えるようにするまでが一仕事だ。
まずICカードリーダーが必要で、これをPCにUSB接続する。次にマイナンバーカードを読み取るためのドライバやプラグイン(JPKI利用者ソフトなど)をインストールする。さらに、マイナンバーカードの署名を検証するためのルート証明書(公的機関から提供されているもの)もインストールが必要だ。
このルート証明書がくせ者で、マイナンバーカードの発行時期によって対応する証明書が異なる場合がある。つまり「古いカードと新しいカードでは、入れるものが違う」こともある。地味に面倒だ。
そしてPDFへの署名にはAcrobatを使うのだが、64ビット版では動作に問題が出ることが多いらしいため、32ビット版を使うことにした。でも、この32ビット版、すこぶる調子が悪い。すぐに動作停止する。ちょっと使い物にならないレベルなので、ノートパソコンには64ビット版を使ってみたところ、すんなり動作したので、当面はこちらを使うことにしている。
🕐 タイムスタンプで「いつ署名したか」を証明する
電子署名にはもうひとつ重要な要素がある。タイムスタンプだ。
署名した日時を「自分のPCの時計」で記録するのでは、改ざんの余地がある。そこで、信頼性のある公的なタイムサーバーから時刻を取得し、その時刻を署名に埋め込む設定にした。これにより「この文書が○年○月○日○時に署名されたこと」を第三者が検証できるようになる。
契約書や公式文書の発行日時を証明するには、この仕組みが必要だ。
📋 運用ルールを決めた
整備が終わったところで、社内ルールも決めた。外部に送付する正式文書にはすべて電子署名を付ける。社内規程などにも必要に応じて付ける。これで「誰が、いつ、何に署名したか」が記録として残る体制になった。
設定にかかった時間を考えると割に合わないような気もするが、一度整備してしまえばあとは使うだけだ。法人として外部と取引するうえで、署名の信頼性は地味に大事だと思っている。


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